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還暦過ぎのITはつらいよ!

ノンフィクション

記憶にございません男女物語98年冬

妙高高原ロッジ

2000年こりない人々より、、、

2002年冬妙高高原ロッジ風景
2002年冬妙高高原ロッジ風景

スキーシーズンも終盤の2月のある日の事である。
夕食のかたずけも終え明日の仕込みをやっていたところなにやら廊下でにぎやかな声がした。
居候のW君とお客様がなにやら談笑している。
でもちょっと変な感じ。
そしてW君は私の顔を見ると急に話を振ってきた。
「あーこちらが噂のオーナーです。」
よくみるとW君なにか困っている様子である。
相手は年の頃30ぐらいのまじめそうな男性だが腰もおぼつかなくベロンベロンに酔っぱらっているようである。
「カメムシはねえ、ガムテープを広げてこうとるんだよ。わかーる。ネーわかーる。」とW君の体にすりより当惑している。
「オーナーお客さんが話をしたがっていますよ。」とW君からのヘルプコール。
ずり落ちそうなメガネ越しのヘベレケなまなこで男性は私の顔をみるやいなやばたばたと厨房に押し掛けてきた。


「ホーひとりもんなの。たいしたもんだ。ところで火星いったことがある。火星だよ。生き物がいるんだってねえ。今度いっしょにいかない。」
なんていうふうに話がやたら飛びすぎて意味の分からない話ににこにことうなずいていた。
最初のうちはこんな調子でなんとかやり過ごそうとしていたが、酔っぱらい男性のテンションは下がりそうもなく、
「どう、どう、ネーどうなの。」と私にすり寄ってきた。
たまらず「お客さんもう消灯の時間。明日のためにぐっすり眠りましょう!」と部屋におさまるように体を押して厨房の外に追いやり、廊下の電気を消す。
「オーナーも寝なきゃいけないんだよ。ネーわかったあ。オーナーも、、、、、、。」と厨房のドアを閉めてもまだぶつぶつと声を発しているようだが相手にしないことにする。しばらくたってもまだドアの外にいるようだがそのうち静かになる。
やれやれとおもいつつ残りの仕事を終わらせようとしていると「コツコツ」とドアを叩く音。
「またか」とおもいドアをあけると今度は若い男性が「すみません。仲間に酒を飲ませ過ぎて汚してしまって。」との言葉。
若い女性が肩を抱きかかえられながら流しでもどしている。
それから廊下で、、、、。
階段を下りて下の流しで、、、。
最後にトイレの便器手前ではでに締めくくっている。
いつものことだがこういったときは私が気持ちよく処理しているが
トイレの所はさすがにたまらんとおもい
「お客さん、これはお願いしますよ!」
と連れの男性に掃除用具を渡してしまう。
厨房へ戻り残り仕事再開をする。
そこへまた2階から奇妙なわめき声。
「なにかなあ」と2階に駆け上がってみると。
なんと例の30酔っぱらい男がゲロッパ女性と抱き合っているではないか。
「おーつらいかー。よしよしぜーんぶさらけだせ。おーおーおーおー、、、。」
抱くというよりも2人とも立っていられなくてもたれあっていると言いましょうか。
でもしっかりと体とからだを密着させているのである。
そしてしきりに訳の分からない言葉を発している。
連れの男性はあまりの大胆さにおろおろしているばかりである。
私もさすがにギョギョギョとしたが悪意はなさそうなのでほっとく事にした。
翌朝朝食時連れの男性はこちらを見て「ゆうべは本当に迷惑をかけて申し訳ありませんでした。」とすまなそうな顔をしている。
例の女性は「あーきのうははでにやっちゃったなあ。」
と、うそみたいな元気な顔でご飯をぱくついている。
背中合わせの30酔っぱらい男は静かに、何事もなかった様なもくもくと食事をしている。
あれほど派手に立ち回った女性がすぐそばにいるにもかかわらず言葉をかわしていないようである。
まったく他人そのもの。
「あれあれ」
帰りがけに「きのうは、、、」と酔っぱらい男に声をかけてみると
まじめに「スキーは良かった。んーよかった。」とあの一件はまるで無かったことのようである。
あーあ
心をすり減らしたのは結局私だけか。
世の中こんなもんかなあ。

酔っぱらい男とゲロッパ女性、今年の冬もきっとどこかでやらかしているんだろうなあ。

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