お味噌は手前味噌に限る!

わかめの味噌汁

我が家では1日2回、味噌汁を作ります。
2人暮らしですが、スーパーで月2回、約1.5kほど買っているので、年間にすると20kほどの味噌を消費していることになります。
以前は自家製の味噌を使っていたのですが、最近は出来合いを買ってくるようになってしまった。
それはそれで、味に不満を感じているわけではないのですが、「なんか味気ないなあ?以前やっていたように自家製味噌つくりを再開してみようかなあ。」と優しい春風に吹かれながらふと思いつきました。
ついでに味噌についてちょっと調べてみました。

お味噌とは

味噌もりもり

「大豆や米、麦等の穀物に、塩と麹を加えて発酵させて作る発酵食品で、日本の伝統的な食品の一つである。」
—Wikipedia 味噌より—

お味噌の起源は定かではないですが、すでに古墳時代から始まったとされています。
みそが現在のみそ汁のような形になって、庶民の食事に組み込まれるようになるのは室町時代になってからです。
味噌という食品はお米と共に戦国時代を通して人々の暮らしと深くかかわってきたようです。

「医者に金を払うよりも、みそ屋に払え」 ― これは江戸時代のことわざです。
『本朝食鑑』(元緑8年・1695)によると「みそはわが国ではむかしから上下四民とも朝夕に用いた」もので、「1日もなくてはならないもの」であり、「大豆の甘、温は気をおだやかにし、腹中をくつろげて血を生かし、百薬の毒を消す。
麹(こうじ)の甘、温は胃の中に入って、食及びとどこおりをなくし、消化をよくし閉塞を防ぐ。元気をつけて、血のめぐりをよくする」効果があるとしています。
味噌健康づくり委員会 味噌の歴史 ——–

昭和30年代後半までは、日本の農村では多くの農家が自家製の味噌を作るのが当たり前になっていたようである。
そして今日まで、日本人の食卓に欠かせない存在であり続けているということです。

味噌国内出荷量

味噌の種類別出荷数量<全味工連集計>単位:千トン

味噌輸出実績

味噌輸出実績(財務省 日本貿易月報)単位:トン

国内消費量は頭打ち、または微減傾向にありますが、海外ではその認知度が高まっており、輸出量が激増しております。

味噌=麹の効用

味噌は穀物に麹菌を繁殖させた麹と塩を混ぜ合わせ、発酵させたものであり、その効能の本質は麹にあります。
麹とはコウジカビを繁殖させたものであり、特に味噌作りで使われているコウジカビは増殖するために菌糸の先端からデンプンやタンパク質などを分解する様々な酵素を生産・放出し、培地である蒸米や蒸麦のデンプンやタンパク質を分解し、生成するグルコースやアミノ酸を栄養源として増殖する味噌が持っている其の旨みはこのような作用によるものである。そのほか以下のような効能が期待されるとされている。

体の健康を保つ
大豆に含まれるイソフラボン成分は女性ホルモンの活性化に関与し骨粗しょう症、更年期障害緩和、動脈硬化予防。抗がん作用があるということです。
美肌効果
味噌作りの職人に肌が白いということからわかってきた、
その含有成分である麹酸は活性酸素を抑える抗酸化作用で、肌を美しく保つ作用があるということがわかってきた。化粧品メーカがこれに着目し美肌化粧品を発売したが、一時、発がん性を疑われることで発売中止になったこともある。しかしその後の研究でその疑念は払拭され今では多種製品に使われてきているという。
放射線から体を守る

自ら長崎の原爆に会い、そこで「味噌は放射能障害に効果がある。」という説を世に知らしめた医師の秋月辰一郎はその著書である長崎原爆記―被爆医師の証言 (平和文庫)のなかで次のように述べている。

爆心地から1800メートルの距離にあった秋月医師の診療所では、「玄米飯に塩をつけて握るんだ。からい、濃い味噌汁を毎食食べるんだ。砂糖は絶対いかんぞ! 砂糖はいかん。
甘いものはいかん」という秋月医師の考えのもと、医師以下、職員や約30名の結核入院患者の誰一人として死なず、重い原爆症が出なかったそうです。

その後の研究で味噌の放射能に対する防御作用について、その効能が認められつつあるようです。
特に「仕込み直後の味噌に比べて260日間熟成させること により放射線照射後の小腸腺嵩再生や生存率を高めた。」広島大学原爆放射能医学研究所・環境変異研究分野教授 渡邊敦尭 教授による

味噌のいろいろ

味噌の種類別出荷数量

味噌の種類別出荷数量<全味工連集計>単位:千トン 2016年

麹の違いによる分類

米味噌:
米麹を使ったもの。最もポピュラーな味噌である。熟成期間の違い、蒸したものゆでた物の違い等で多種多様な味噌が作られている。
麦味噌:
麦麹を使ったもの。香り、甘みが強い、主に九州地方で作られているが、甲州味噌とし山梨で作られているのは、麦味噌と米味噌をブレンドしたものとなっている。
豆味噌:
蒸し大豆を発酵させた味噌、大豆のうまみが凝縮している。愛知県で作られている、八町味噌が有名である。

味噌の色による違い

赤味噌:
褐色で熟成期間が長く塩分が強い強く蒸した大豆を多く使い、長期間、高温で熟成させると色が濃くなり赤味噌になる 仙台味噌 豆味噌
白味噌:
塩分が弱い。茹でて糖分やタンパク質を流し出した大豆を、精白した米や着色の進まない系統の麹を多くあわせ、短期間熟成させると白味噌 西京味噌
淡色味噌:
赤味噌白味噌の中間 信州味噌

味噌はやっぱり生味噌に限る

市販味噌ラベル表示

市販味噌ラベル表示

生味噌の特徴

味噌をじっくり熟成させたもの
米(麦)大豆、食塩のみで作られたものである。酵母が生きているのでそのまま発酵し続ける。発酵しながら炭酸ガスを出し続ける。密封できないが、メーカーによっては炭酸ガス除去剤やガス抜き装置をつけて販売しているものもある。
酒精(エタノール、エチルアルコール)を添加しないもの
酵母の発酵を止め、炭酸ガスの発生を抑えている。発酵が止まるということは生きた味噌ではなくなることを意味する。(栄養価が下がる)
温醸法(おんじょうほう)という製法で作られたものではない
スーパーなどで市販されている安価なものは工場で、発酵を強制的に早め、3ヶ月ほどで完成させています。(熟成の度合いが下がる。

ということはやっぱり、自身で材料を吟味し、時間をかけて作る価値があるということであると結論づける事ができる。

手前味噌作り

仕込む時期

雑菌の発生が弱い冬場がいい。たいてい2.3月に仕込んでいる場合が多い。
そして、温度が上がる夏場に発酵のピークを持っていけるので都合のいいタイミングであります。

材料の吟味

白大豆
当年収穫の大粒のもの、できれば無農薬栽培のものをそろえたい。
製造年月日が新しいもの、古いと発酵が弱くなる。
まろやかな塩気である自然海塩がよいと思われる。
鉄分はコウジカビの生育に悪影響を与えるので鉄分の少ない水を使用する。

分量の基準(まるかわ味噌の記事より)できあがり6kg

/ 甘口 中辛 辛口
大豆 1.1k 1.3k 1.5k
2.6k 2k 1.8k
0.75k 0.8k 0.8k

実際に味噌を仕込む

  1. 材料用意
    大豆650g 米麹1000g 塩400g

    材料用意

  2. 大豆を良く洗い、ボールに水を張り大豆を浸す。24時間ほど。
    水に浸す

  3. 大豆をひとつ取り出し指先で割って中まで浸水しているのを確認する。

    大豆柔らかさ確認

  4. 笊にあけ、洗って圧力鍋に入れひたひたになるくらいの水をいれる。火にかけ、沸騰し分銅が回りだしたら火を弱め、20分ほど煮る。

    圧力鍋に入れる

  5. ボールに分量の麹と塩をいれ、よく混ぜ合わせておく。

    麹と塩を混ぜる

  6. 煮た大豆を笊に取り、煮汁と茹で大豆に分け、手で直接さわれるぐらいまでさます。

    煮あがった豆をつぶす

  7. 大豆を数回に分け、すり鉢で練りつぶす。
  8. プラスチックの漬物容器にビニールを敷いておく。

    容器用意

  9. 混ぜ合わせてある塩と麹の入ったボールにすり潰した大豆をいれよく混ぜ合わせ、練り合わせる。

    すり潰した大豆を容器に入れる

  10. ⑨を手で空気を抜く様にボール状に丸め、容器に引き詰めていく。

  11. すべて引きつめ終わったら、平らにならし、落し蓋を乗せ重しを載せ冷暗所に保管する。

    容器の中を平らにならす

  12. その後、発酵がすすんできて、色が鼈甲色になる1年後から食べられるようになる。
    転地返しはこれぐらいの量ではする必要がないということが言われている。
    発酵が進み白くカビが生えてくるが酵母菌なのでそのまま混ぜ合わせて良い。

    味噌仕込み完成

***参照・参考サイト***
まるかわ味噌 味噌について
味噌 Wikipedia.html
麹 Wikipedia.html
コウジカビ Wikipedia.html
石井味噌 味噌と放射能
危険な食品添加物一覧 酒精のメリットとデメリット!無添加熟成味噌の効果
麹と酵素とそのはたらき
みその歴史 _ みそ健康づくり委員会 あっとえんざむ  コウジ酸の効果・効能。シミや肝斑(かんぱん)に有効?
ツルヤ味噌 美味しいオ・ミ・ソのヒ・ミ・ツ

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