実はとっても優しいオトギリソウ・ドクダミ

オトギリソウの花

オトギリソウの花

窓からふと外を見渡すと、ベランダの向こうに黄色い花が風にゆらゆら揺れていた。
花の名前を園芸に詳しい妻の母親に尋ねると「オトギリソウ」と言う。
「なあんだ、オトギリソウか。」
実は我が家ではこの植物のエキスを焼酎ずけしたものを愛用していた。
市販の薬がだめな妻が虫に指されたときとか傷を負ったときにしょっちゅう使っていたのだ。
 「我が家の傍らに愛用しているものがあるなんて何かのめぐるあわせなのだろうか?」
ついでに外へ出てみて、じっくりあたりを見回してみる。
「よもぎがあるではないか。どくだみも白い花を咲かせている。」
 白州に住んでいたときは、なんかあったときに使える生薬の生えている場所を探すのに苦労していたが、
こんなに近くにあるなんてとても幸運に感じる。
 オトギリソウもドクダミも名前の響きがどうもマイナーなイメージとして捉えられている。
ベランダ脇のオトギリソウ

ベランダ脇のオトギリソウ

 
オトギリソウの花言葉は
 「恨み、秘密、迷信、妄信、敵意」
 というのもオトギリソウの和名は「弟切草」としている。
 その由来については以下の文章から理解できる。

昔、ある鷹匠は、鷹が傷ついたときの治療薬として弟切草を使っていました。
仲間の鷹匠には草の名前を明かしていませんでしたが、ある日彼の弟がうっかり他の鷹匠に秘密をバラしてしまいます。これに怒った鷹匠は、弟を斬り殺してしまいます。このエピソードから、「弟切草」と名付けられました。
また、葉っぱの黒い斑点は、弟の血しぶきが飛んで残ったものをされています。

 ドクダミは野山に普通にみられる植物である。田んぼの用水の縁や暗くじめじめした森の影に生えている。

どくだみの花

どくだみの花


「暗い、じめじめしているところに生える、臭いが臭い」ということでこの植物もマイナスの印象に捉えられて言うようである。

十薬といわれるほどその効能は多岐にわたる。特に解毒作用にすぐれており、「どくだみ」という名前からも察することができる。
また驚くべきその生命力は以下の引用からもうかがえる。
 

どくだみは驚異的な生命力と解毒作用を持つと言われていて、
第二次世界大戦の際に広島に原子爆弾が投下され、多くの学者が今後数年間で植物は育たないだろうと予測していましたが、
原爆投下後に唯一育った植物がどくだみだったそうです。荒れ果てた土地は、どくだみの解毒作用で再び青い草原になったんだとか。

このオトギリソウとドクダミのことについて関連サイトからまとめてみました。
 
 オトギリソウ
  生態:日本全土から朝鮮半島、中国大陸の草地や山野に自生する。高さ20?60cmにまで生育し、夏に2cm程の黄色い花を咲かせる。
     日本古来の植物といえる。
  名称:オトギリソウ(弟切草、学名:Hypericum erectum)は、オトギリソウ科オトギリソウ属の多年生植物。
タカノキズグスリ(鷹の傷薬)、チドメグサ(血止め草)などの悪いイメージのない異名も持つ
  薬効:
   全草タンニン含むーーー>月経不順改善、鎮痛作用 「小連翹(ショウレンギョウ)」といわれている。
   

オトギリソウ茶に、マルトースをグルコースに分解する酵素であるマルターゼ阻害活性があり、血糖上昇が抑制されたとの報告がある[2
^ おとぎり草茶のヒト食後血糖上昇抑制作用と抗酸化能、田村朝子ほか、日本家政学会誌 Vol.60(2009) No.7 http://dx.doi.org/10.11428/jhej.60.673

 
 

鬱(うつ)状態では、セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミン等の意欲や気分を高めるために必要とされる脳内の神経伝達物質が減少しているという特徴があります。
セイヨウオトギリソウには、モノアミンの酸化酵素の作用を抑えるとされるヒペリシン、モノアミン神経伝達物質の脳内減少を抑える作用を持つヒペルフォリン(ハイパーフォリン)等のセイヨウオトギリソウ特有の有効成分に加えて、
フラボノイド、ルチン等の抗酸作用に優れた有効成分が含まれており、このような有効成分の相互作用によって、脳の神経伝達物質のバランスを整え脳の機能回復を図り、鬱(うつ)症状を改善します。。
鬱(うつ)に多くある症状として睡眠障害があります。良質な睡眠を得るために必要なホルモンであるメラトニンの不足により睡眠障害が生じやすくなりますが、メラトニンはセロトニンから合成されるホルモンであるので、
脳内のセロトニン減少を抑えるセントジョーンズワートの働きによって、結果的に入眠時のメラトニン不足が解消され、
セイヨウオトギリソウは不眠症からの脱出にも効果があるとされています。
 http://www.reluck.com/

  処理法:
   果実が成熟する頃に刈り取って乾燥させたものが漢方医学に利用されます。またオトギリソウ茶として飲用する。(血糖上昇が抑制)
   茎や葉っぱの絞り汁は傷口や打撲症の患部に塗ると、痛みを鎮める効果があります。
   
 ドクダミ
  生態:住宅周辺や道ばたなどに自生し、特に半日陰地を好む。全草に強い臭気がある。開花期は5~7月頃。 
  名称:古くは、之布岐(シブキ)と呼ばれていた。どくだみの名称は「毒矯み」(毒を抑える)から来ている。
  食用:加熱することで臭気が和らぐことから、日本では山菜として天ぷらなどにして賞味されることがある。また乾燥したもの
  薬効:ドクダミのにおいのもとになっているのは「デカノイル‐アセトアルデヒド」という物質です。
この物質には、黄色ブドウ球菌や肺炎球菌、白癬菌(はくせんきん)などの細菌や、ある種のウイルスの活動を抑える力があると言われます。
但し、乾燥させると酸化されて抗菌効果は失われるので、生の状態で使用する。
    傷口の止血や再生にも効果(殺菌)
    風邪や便秘の治療・高血圧の予防には植物体を煎じた汁を服用(利尿作用、動脈硬化の予防作用–>クエルシトリン,カリウムによる)
    傷・おできなどには生のままか、火であぶった葉を患部に貼るとよい(解毒)
    アトピー性皮膚炎やアレルギーの対策(解毒)
    風呂に入れれば冷え性に、鼻腔に詰めれば蓄膿症に効く
    その他いろいろ
  副作用:
   胃腸の弱い人は常用を避ける
   腎臓機能の低下している人は要注意(カリウムが排泄されにくいことによる)
  その他利用法:車内の消臭に生のものをいれて使っていました。
 
生活の小ネタ 気になる木 健康美容参照

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